お店がキャッシュレス決済を導入するかどうかは重要な決断です。
キャッシュレス対応には多くのメリットがあり、消費者のライフスタイルに適合する方法として注目されています。一方で、デメリットも無視できません。
この記事では、お店でキャッシュレス対応を検討する際に考慮すべきメリットとデメリットについて詳しく紹介します。
キャッシュレス対応するメリット
近年キャッシュレス決済はますます一般的になりつつあります。
消費者がクレジットカード、電子マネー、スマートフォンアプリなどを使用して支払いを行うことは、便利で効率的な方法として広く受け入れられています。
また消費者側だけではなく、小売店や飲食店などの実店舗がキャッシュレスに対応することには、多くのメリットがあります。
ここでは、お店でキャッシュレス対応するメリットを紹介します。
顧客の利便性向上
キャッシュレス決済は、顧客にとって支払いプロセスを迅速かつ便利にします。
現金を持ち歩かなくてもよいため、財布を紛失したり、おつりを受け取る手間が省けます。
また、キャッシュレス決済はスピーディーで、長い支払い待ち時間を減少させ、お客様の待ち時間を短縮します。
決済に関する利便性が向上することで、お客様からの満足度を高めることができます。
レジ業務の効率化ができる
お客様側の利便性向上だけではなく、キャッシュレス決済導入はお店側にも大きなメリットがあります。
それがレジ業務の効率化です。
キャッシュレス決済を導入することで、お店は売上データを効率的に管理できます。
これにより、財務情報のトラッキングや帳簿の管理が容易になり、誤った取引や金銭の紛失を防ぎます。
すべての取引がデジタルの履歴が残るようになりますので、締め作業も楽になり、人件費も削減することができるでしょう。
また、デジタル決済は自動化されたレポートを提供し、経営者がビジネスの健全性を把握しやすくします。
現金の取り扱いコストの削減
現金を取り扱うには、セキュリティ対策や現金を頻繁に銀行に預ける必要があり、これにはコストがかかります。
キャッシュレス決済を促進することで、お店はこれらのコストを削減できます。
また、現金の盗難や偽札の取り扱いに関するリスクも低減される点もキャッシュレス決済導入のメリットです。
機会を逃さなくなる
キャッシュレス決済は年代を問わず利用者が増えています。
またスマホでの決済も広がっていることから、財布を持ち歩かずスマホだけを持ち出かける人も増えています。
このような状況下で現金のみの決済対応となると、お客様がなにか欲しい物があっても購入できない。とせっかくの販売機会を逃してしまう可能性があります。
また近くのお店はキャッシュレス決済に対応しているということであれば、自店舗は競争力を失い、お客様から選ばれなくなってしまう可能性があるとも言えます。
一方で自店舗だけがキャッシュレス決済を提供していれば、競争力を維持しお客様から選ばれ続ける要素となり得ます。
顧客情報の収集と分析ができる
デジタル決済を利用することで、お店は顧客の支払い履歴を簡単に収集できます。
これにより、顧客の好みや購買履歴を分析し、ターゲットマーケティング戦略を改善できます。
顧客に特定のプロモーションや割引を提供するなど、顧客体験を向上させることができるため、将来の売上向上や安定経営に役立てることができます。
お店がキャッシュレス対応を検討する際には、上記のメリットを考慮に入れることが重要です。
キャッシュレス決済に対応し、お店の成長と効率性を向上させるために、キャッシュレス対応を積極的に検討することをおすすめします。
キャッシュレス化するデメリット
キャッシュレス決済の導入は、多くのメリットがある一方で、一部のデメリットも伴います。
お店がキャッシュレス対応を検討する際には、以下に示すデメリットについても注意を払うことが重要です。
取引手数料の負担
多くのキャッシュレス決済は、取引手数料を徴収します。
これはクレジットカード会社や電子マネーなどを提供する事業者に支払われるもので、売上高に対する一定の割合として計算されます。
小売業界では、これらの手数料が利益を圧迫する場合があり、特に低価格商品を提供するお店にとって問題となることがあります。
利用金額の2.0~3.5%程度が決済手数料の平均です。
技術依存性と障害リスク
キャッシュレス決済は高度な技術に依存しており、ネットワーク障害やシステムのクラッシュなどの問題が発生する可能性があります。
これにより、お店は一時的に支払いができなくなり、顧客に不便をかけることがあります。
また、セキュリティの脆弱性に対するリスクも存在し、顧客の信頼を損なう可能性があります。
現金支払いを好む顧客の取りこぼし
一部の顧客は、プライバシーやセキュリティの観点から現金支払いを好むことがあります。
キャッシュレスのみを受け付けるお店の場合は、これらの顧客を取りこぼす可能性があり、売上機会を逃すことになります。
特に高齢者や一部の文化的な背景を持つ顧客は、現金支払いを好むことがよくあります。
現金とキャッシュレス決済の両方対応で煩雑になる
完全にキャッシュレス決済以外対応しないという場合以外は、キャッシュレス決済と現金決済の併用となり、多くの店舗ではこの形での運用がメインとなっています。
この場合、キャッシュレス決済の取り扱いと現金の取り扱いの両方を行う必要がありますので、レジ業務が煩雑になる場合があります。
ただし、キャッシュレス決済代行サービスを利用する場合であれば、専用アプリを利用すれば現金での決済も同じアプリに入力することができ、一元でデータを管理できますので、会計処理は簡単にできます。
キャッシュレス導入のデメリットを軽減する方法は?
キャッシュレス決済を導入するにあたって、デメリットを完全に避けることは難しいですが、適切な対策を取ることで影響を最小限に抑えることができます。
ここでは、導入前にできる具体的な方法についてご紹介します。
導入前のコスト比較で、無理なく始める方法
キャッシュレス決済の導入には、端末の購入やシステム利用料、手数料など、さまざまなコストがかかります。
しかし、事前に複数の決済サービスを比較検討し、自分のお店に最適なプランを選ぶことで、コストを大幅に削減できます。
例えば、小規模店舗向けの手数料が低いプランや、初期導入費用が無料のサービスを選ぶのも一つの方法です。また、長期的な視点で費用対効果を考えることも大切です。短期的な出費にとらわれず、将来的な売上増や運営の効率化を見据えた選択をすることで、キャッシュレス導入のメリットを最大限に活かすことができます。
キャッシュレス決済端末の比較と選び方は以下の記事を参考にしてください。
顧客層に合わせた柔軟な対応でトラブルを減らす
お店に来るお客様の中には、キャッシュレス決済に慣れていない方や現金での支払いを好む方もいます。
特に高齢者や、普段あまりデジタル決済を利用しない層への対応が求められます。
このような場合、現金とキャッシュレス決済を並行して利用できる環境を整えると、お客様の不安を軽減し、スムーズな会計を実現できます。
また、スタッフが顧客対応に慣れるために、丁寧な説明やアフターサポートを提供することで、キャッシュレス決済が苦手なお客様にも安心して利用してもらえる環境を作ることができます。
キャッシュレス化は今後更に加速する
ここ数年でキャッシュレス決済は急速に普及が進んでいますが、世界の先進国と比較すると日本のキャッシュレス比率は低い状況です。
隣国で最もキャッシュレス化が進んでいる韓国では、決済全体のキャッシュレス比率が89.1%と言われており、約9割の決済がキャッシュレスで行われていると考えると、日本はまだまだと言えるかもしれません。
しかし日本でも、2025年までにキャッシュレス決済比率を40%まで高めることを目標として掲げていることもありますので、今後は現在以上にキャッシュレス化が進行していき、現金を持ち歩かない人が増えることが予想されます。
そのような状況下では、店舗のキャッシュレス対応は必須と言えます。
早めにキャッシュレス導入を進めておけば、将来の心配を少しでも減らすことができます。
現在は各キャッシュレス決済代行会社で、新規導入キャンペーンも実施しており、無料で導入できるものも少なくありませんので、この機会にキャッシュレス対応を検討してみてはいかがでしょうか。
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