モバイル決済の中で、特に伸びが著しいのがQRコード決済という決済方法で、その中でも、業界トップクラスのシェアと利用者数を誇るのが「PayPay」です。
QRコード決済サービスは色々な会社が提供していますが、もしまだサービスに未加入の店舗がありましたら、この「PayPay」の導入を強くオススメします。
数ある決済サービスの中で、店舗側はなぜ「PayPay」を導入すべきなのか?
この記事では店舗側の視点から、導入すべき理由とかかる費用、そして導入までの流れを詳しく紹介します。
PayPayとは?
PayPayとは、ソフトバンクとヤフーが共同で提供するモバイル決済のひとつで、2018年の10月にサービスが開始されました。
手持ちのスマホにPayPayアプリをダウンロードし、会員情報や支払い情報を登録することで、誰でも簡単に利用することができます。
PayPayは、モバイル決済の中でもQRコード決済に分類されます。この決済は「専用のアプリを利用」し「コードをスキャンする」ことで決済が完了する点が特徴です。
このようなQRコード決済サービスは複数存在しますが、PayPayは5,000万人(※22年8月時点)を越える登録ユーザーを持ち、導入店舗数も374万カ所(※22年6月時点)と、QRコード決済の利用シェアNo.1となっています。
PayPayは、大手チェーンであるコンビニやドラッグストア、スーパーや家電量販店などで利用できるのはもちろん、個人店舗、Yahoo!ショッピングやAmazonなどのネットストア、Uber Eats、出前館でも利用が可能と、QRコード決済サービスの中では、とくに普及率も知名度も高いサービスとなっています。
なぜ、PayPayはここまで世間から支持されるようになったのでしょうか?
ここからはその理由を解説するとともに、それによって店舗側にもたらされるメリットを併せて紹介していきます。
PayPayが多くのユーザーに支持される理由
PayPayが多くのユーザーから支持されている最大の理由は、定期的に行われる還元キャンペーンの存在です。
PayPayは、サービス開始当初から、大型の還元キャンペーンを頻繁に開催することでユーザー数を増やし、他の決済サービスと差をつけてきました。
キャンペーン例
・超PayPay祭
・PayPay自治体キャンペーン(20%還元など)
近年ではキャンペーンの規模は縮小傾向にあると言われていますが、それでも大型キャンペーンの数や質は、他社のサービスを上回るものがあります。
「お得だからPayPayを使おう」「PayPayを使える店はどこだろう」と、キャンペーン中はユーザーがアクティブに動くため、店舗側がPayPayを導入すれば、消費意欲の高い顧客や新規の顧客を獲得するチャンスを増やせます。
また、冒頭にも述べましたが、キャッシュレスに対応しているか、していないかで、店の利用を決める顧客もいるため、QRコード決済の導入……とくにユーザー数の多いPayPayを導入すれば、店舗側はなおのこと集客に期待が持てます。
このように、キャンペーンでユーザー数を増やし、増えたユーザーを呼び込みたい店舗が次々に加盟し……と、PayPayは倍々ゲームのように成長していきました。
さて、店舗にとっては集客の拡大が期待できるPayPayですが、導入するにあたり、店舗側にはどのような負担がかかるのでしょうか?
ここからは、PayPayを利用する上でかかる費用について紹介します。
PayPayの導入費用・決済手数料
結論から言うと、PayPayを利用する上でかかる費用は決済手数料のみとなり、導入費用と振込手数料は基本的には無料となっています。
PayPayの基本的な情報は次のとおりです。
初期費用 | 0円 |
決済システム利用料 (決済手数料) | 1.60%/1.98% |
入金サイクル | 月に1回 (早期振込サービスあり) |
サポート | 24時間365日 |
導入前の期間 | 1週間程度 |
解約時の違約金 | なし |
公式サイト | https://paypay.ne.jp/store/ |
上記の中から店舗を運営する側で気になる
と項目を分け、一つずつ解説していきます。
PayPayの導入費用
まず、PayPayを含むQRコード決済には、「ユーザースキャン方式」と「ストアスキャン方式」という2パターンの決済方式がありますが、いずれの方法も導入費用は0円です。
決済方法 | 特徴 | 導入されている場所 |
---|---|---|
ユーザースキャン方式 | お店側に掲示されたQRコードをお客さんが読み取る | 小規模店舗、移動販売、イベント出店など |
ストアスキャン方式 | お店側がお客さんのスマホに表示されたQRコードを読み取る | コンビニ、大手チェーン店など |
「ユーザースキャン方式」とは、お客が店舗に掲示してあるQRコードを読み取って決済する方式で、「ストアスキャン方式」は、店舗側がお客のスマホに表示されたバーコードを読み取って決済する方式です。
「ストアスキャン方式」を取ると、店舗側はコードを読み取るバーコードリーダーなどの専用端末を用意する必要がありますが、「ユーザースキャン方式」を取ると、専用端末は必要はありません。
「ユーザースキャン方式」であれば、お客に読み取ってもらうための店舗専用のQRコードを、レジ前に掲示しておくだけで決済が可能となり、そのQRコードもPayPay側が用意してくれるため、導入費用は0円となります。
ユーザースキャン方式で利用するQRコードのシール等の掲示物はPayPayに申込後店舗に配達されます。(無料です。)
PayPay振込手数料
PayPayでは、売り上げの振り込み、つまり入金のサイクルは月1回(月末締め最短翌日入金)となっていて、その際の手数料は無料です。
しかし、2回目以降を希望する場合は有料となり、「早期振込サービス」を利用することになります。
こちらのサービスは0.38%の自動振込利用料がかかり、使用している口座がPayPay銀行なら1回22円(税込み)、それ以外の金融機関なら1回220円(税込み)の振込手数料が発生します。
PayPayの入金サイクルや振り込み手数料について詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
PayPayの決済手数料
PayPayを利用する上で、唯一かかる費用が決済手数料です。
決済手数料とは、お客が決済をした際に店舗側が決済会社(PayPay)に支払う手数料のことです。
PayPayの決済手数料はキャッシュレス決済業界の手数料の中で最安水準の1.60%~1.98%となっています。
種別 | 決済手数料()内は税込み |
---|---|
PayPayマイストア ライトプラン加入 | 1.60%(1.76%) |
PayPayマイストア ライトプラン未加入 | 1.98%(2.178%) |
クレジットカードの場合は安くても3%から4%以上かかることが多いですが、QRコード決済の場合は3%台が相場となっていることからも、PayPayの決済手数料は安く利用しやすいことがわかります。
ただ、決済手数料を1.6%にするためには、「PayPayマイストア ライトプラン(月額1,980円)」に加入する必要があり、未加入なら1.98%となるので注意が必要です。
「PayPayマイストア ライトプラン」は、店舗に合わせて独自のクーポンを発行し、PayPayアプリ上で配信を行えたり、独自のスタンプカードを作成できたりと、リピーターの顧客を増やす上で、店舗にとっては有益なプランとなっています。
売り上げの規模に応じて、プランに加入するかしないかの判断をする必要がありますが、加入しなくても、決済手数料が1.98%と非常に安いのが、PayPayの魅力です。
PayPayの決済手数料を他QRコード決済と比較
このPayPayの決済手数料がいかに安いのか、ここからは表を使って、他社のQRコード決済サービスと比較をしていきましょう。
サービス名 | PayPay | d払い | au PAY | 楽天ペイ |
---|---|---|---|---|
導入費用 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
決済手数料 | 1.60%or1.98% | 2.60% | 2.60% | 3.24% |
振込手数料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
入金サイクル | 月1回 | 月1~2回 | 月1~2回 | 翌日入金 |
公式サイト | https://paypay.ne.jp/store/ | https://service.smt.docomo.ne.jp/keitai_payment/corporation/shop.html | https://biz.aupay.wallet.auone.jp/ | https://pay.rakuten.co.jp/business/ |
最初にかかる導入費用は「d払い」「au PAY」「楽天ペイ」いずれも、「ユーザースキャン方式」を取れば無料となります。
他社と比較する上で、大きく変わってくるのは「決済手数料」と「入金サイクル」となるので、ここからはそこを中心に、各社のサービスを一つずつ紹介していきます。
その他の項目も含めて、おすすめQRコード決済の導入比較をしたい方は以下の記事を参照してください。
d払い
「d払い」は、NTTドコモが提供する決済サービスで、ユーザー数は4,375万人(2022年3月時点)となっています。
ドコモユーザーでなくても、dアカウントを取得すれば利用が可能です。
決済手数料は2.6%となっていますが、入金のサイクルは、月1回または2回から選択することができます。
振込手数料は基本的に無料ですが、入金額が1万円未満の場合は200円の振込手数料がかかります。
また現在、2023年9月末まで「手数料無料キャンペーン」を実施中で、期間内に新規で申し込むと決済手数料が無料となっています。
au PAY
「au PAY」は通信大手のKDDIが提供している決済サービスで、ユーザー数は3460万人(2021年9月時点)となっています。こちらも「d払い」と同じく、auユーザーでなくても利用が可能です。
決済手数料は2.6%で、入金サイクルは、月1回、月2回、または早期振込サービス(最短で翌々営業日に振込)のいずれかの選択が可能です。
早期振込サービスは、別途で事務手数料が発生しますが、コロナ禍の状況・経済情勢を考慮し、現在は有料化が先送りとなっています。
楽天ペイ
「楽天ペイ」は、インターネット大手の楽天が提供する決済サービスで、ユーザー数は非公開となっています。
楽天の会員数はのべ1億人以上とされ、楽天ペイを導入することで楽天ユーザーの集客が期待できます。
決済手数料は3.24%ですが、振込登録口座を楽天銀行にしておくと、365日いつでも、売り上げを振込手数料無料で、翌日に入金してくれるというスピーディーさを持っています。
以上のように、PayPayは各社のサービスと比べると、入金サイクルという点では見劣りしますが、業界最大級のユーザー数を持つという点と、決済手数料が1%台という点を考えると、やはりPayPayに軍配が上がると思います。
PayPay導入の流れ
各社を比較した結果、QRコード決済サービスを導入するなら、一番のオススメはPayPayということになります。
では、PayPayを導入するためには、店舗側は具体的にはどういう手順を踏むのかを紹介します。
ステップ1:申し込み
まず、PayPayの公式サイトから仮登録を行います。
ここで入力するのは、メールアドレス、氏名、法人名または屋号名、電話番号などの基本的な項目となり、1分程度で仮登録が済みます。
仮登録後、入力したメールアドレスにメールが届きます。そのメールのリンク先から、申請用のページに飛び、審査情報を入力していきます。入力が完了するまでの所要時間は10分程度です。
また、ここでは審査書類の提出が求められます。
必要な書類は、免許証などの本人確認書類、店の内観や外観の写真、法人の場合は法人番号、業種によっては営業に関わる許可証となっているので、これらを事前に用意しておきましょう。
個人事業や店舗なしの方、イベントでPayPayを導入したい方は以下を参考にしてください。
ステップ2:審査
申請が完了すると、PayPay側で審査が行われます。
申し込みから2日程度で、審査の結果が記載されたメールが届きます。「審査落ち」の場合もありますが、その際は再び審査を受けることができます。
ステップ3:キットの到着
審査に通過すると、1週間程度でPayPayコードキットが郵送で届きます。
このキットには、スタートガイド、QRコードのシールやスタンドなど、QRコード決済に必要な物が入っています。
同封されているスタートガイドに従って、キットを組み立てていきましょう。組み立てたあとは、管理サイトにログインして、口座や店舗情報の登録を行うと、導入が完了します。
実際に使う前にテスト決済を行うことも可能なので、操作性も含め、一度試しておくことをオススメします。
公式サイトの導入ページは非常にわかりやすく、指示通りに進めていけば、簡単に導入が終わりますので、ご安心ください。
PayPayは導入費用0円で決済手数料も安い!
ここまで紹介してきた内容を改めてまとめると次のとおりです。
・キャッシュレス化が当たり前となっている今、店舗のQRコード決済の導入は不可欠。
・QRコード決済サービスは、基本的に導入費用も無料で、導入も簡単。
・QRコード決済サービスの中で、とくにオススメなのがPayPay。
・PayPayは、登録ユーザー数が圧倒的に多く、集客拡大が期待できる。
・PayPayは、決済手数料も業界最安水準で、店舗に負担がかからない。
・PayPayは、審査に2日、導入に1週間程度と、早ければ10日以内に利用が可能。
PayPayは導入までのハードルが低く、独自キャンペーンも定期的に開催されているため顧客層の拡大も見込めます。
小規模、中規模の店舗では特にQRコード決済で得られるメリットが大きいので、これを機に、ぜひキャッシュレス化を検討してみてください。
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