ハンドメイドイベントやマルシェで「カードは使えますか?」と聞かれたとき、現金しか受け付けられず困らないようにしておきたいですよね。キャッシュレス対応は、手持ちの現金が足りないお客様にも作品を購入してもらうための準備になります。
イベント出店のハンドメイド作家なら、まずは月額固定費0円のSquareかAirペイを比較し、PayPay中心のお客様が多い場合はPayPayの直接契約も検討するのがおすすめです。対応スマートフォンがあれば、専用端末を買わずにカードのタッチ決済を始める方法もあります。
ただし、「月額無料=すべて無料」ではありません。決済手数料、必要なスマホ、通信環境、利用場所の申告、決済ブランドごとの審査を確認する必要があります。特に、複数会場に出店する場合は、固定店舗と同じ条件で使えるとは限りません。
この記事では、出店頻度や作品の価格帯に合わせた選び方、3つのサービスの違い、当日の持ち物と会計の流れまで説明します。ネットショップ向けの決済ではなく、会場で作品を手渡して販売する場合を中心に見ていきましょう。
ハンドメイドイベントのキャッシュレス対応は3つの方法から選ぶ
最初からすべての決済手段を揃える必要はありません。まずカードにも対応したいのか、PayPayから小さく始めたいのかを決めると、必要な機器と手続きが整理しやすくなります。
| 比較項目 | Square | Airペイ | PayPay直接契約 |
|---|---|---|---|
| 向いている方 | スマホから始めたい Androidも候補にしたい | 対応iPhone・iPadを活かしたい | PayPay中心で、機器を減らしたい |
| 基本の月額料金 | 0円 | 0円 | 制限プラン0円 |
| 主な機器 | 対応スマホのみでタッチ決済 またはリーダー+スマホ等 | 対応iPhoneでAirペイ タッチ またはカードリーダー+iPhone・iPad | 加盟店用QRコードと 支払いを確認するスマホ等 |
| 機器の費用 | タッチ決済は専用端末代0円 リーダー4,980円 | カードリーダー代0円の 新規向けプログラムあり | QRコード方式は専用カード端末不要 |
| 主な決済手数料 | 対象の対面カード2.5% 電子マネー・QRコード等3.25% | 対象カード2.48% 通常カード・iD等3.24% | 制限プラン1.98%(税別) |
| 注意点 | 端末・方式で対応決済が異なる 電子マネー・QRは追加申請 | 複数場所での利用は 交通系電子マネー不可 | カード決済の代わりにはならない イベント利用の手続きが必要 |
Squareの端末価格は税込です。2.5%・2.48%は適用条件と審査があります。スマホ本体、通信料、プリンター等は必要に応じて別途かかります。また、PayPayの直接契約と、Square・Airペイ経由のPayPay受付は、料金と入金の契約が異なります。
カードとPayPayを受け付けたいなら、決済代行サービスが便利
SquareやAirペイは、一つのサービスでカードや複数のQRコード決済などを管理できます。作品数が多い方や、カードとQRコードの売上を同じ画面で確認したい方にとって、管理をまとめやすい方法です。
ただし、アカウントを作れば全ブランドが同時に使えるわけではありません。追加申請やブランド別の審査があるので、出店当日に承認済みの決済だけを案内してください。
PayPayだけから始める方法もある
常連のお客様からPayPayを希望されることが多く、カード対応はまだ必要ない場合は、PayPayの直接契約から始める選択肢もあります。QRコードを掲示する方式なら、カードリーダーの持ち運びや接続が不要です。
一方、PayPayを利用していないお客様のカード決済は受け付けられません。「PayPayがあればキャッシュレスのお客様全員に対応できる」とは考えず、客層と必要な支払い方法で選びましょう。
イベント出店の決済サービスで失敗しない選び方
イベントでは、出店していない月の費用や、会場での電波・電源が使い勝手を左右します。料金表の最も低い数字だけでなく、自分の出店スタイルに当てはめて確認してください。
出店頻度が少ないなら月額固定費を抑える
年に数回だけの出店なら、売上がない月にも費用がかかるプランは慎重に選びたいところです。基本の月額料金が0円のプランなら、出店の少ない時期の固定費を抑えられます。
ただし、無料プランでも販売時の決済手数料はかかります。有料の販促機能や追加サービスに申し込む場合は、その料金を別に確認してください。PayPayの1.60%も、有料プランなどの条件を満たした場合の料率です。
作品の価格帯と、お客様が希望する支払い方法を見る
数百円の小物が中心なのか、数千円のアクセサリーや1万円以上の作品も扱うのかによって、必要な対応を考えやすくなります。ただし、価格だけで「カードは高額商品専用」「電子マネーは少額専用」と決めつける必要はありません。
前回の出店で聞かれた支払い方法をメモし、必要な決済を優先しましょう。初出店なら主催者の案内や来場者の傾向を参考にし、使える決済ロゴをブースに掲示すると、お客様が購入前に確認できます。
複数の会場で使える契約か確認する
Airペイでは、利用形態や利用場所の区分を選んで申し込みます。「複数の場所で利用する」場合は交通系電子マネーを使えません。一つの催事会場に限定する場合とは条件が異なるため、各地のイベントを回る方は必ず確認しましょう。
既存の店舗向け契約を、そのまま別会場に持ち出してよいとは限りません。PayPayの直接契約でも、既存の登録店舗以外で使う場合は店舗追加の申請が案内されています。新規のイベント利用は、加盟店受付窓口へ相談してください。
Squareも、申込時には作品の販売内容やイベントで使うことを正しく伝え、登録する店舗情報と追加申請の条件を確認しましょう。主催者側に指定端末や独自の決済ルールがある場合は、そちらも先に確認してください。
出店日までに審査・配送・準備が終わるか確認する
サービス全体の「最短」の案内と、自分が使いたいブランドの利用開始日は別です。カードを使えても、PayPayや電子マネーの審査が終わっていないことがあります。端末を購入する場合は配送日数も必要です。
出店が決まったら早めに申し込み、少なくとも利用開始通知・機器の動作・通信接続を確認する時間を残しましょう。数週間前から準備するのは目安として有効ですが、審査完了を保証する日数ではありません。
いろは私なら、出店日から逆算して「審査」「機器の受け取り」「練習」の時間を確保します。作品やディスプレイの準備と同じように、決済も前日までに使える状態にしておきたいですね。
ハンドメイド作家におすすめのキャッシュレス決済3選
ここからは、Square・Airペイ・PayPayを、イベントでの使い方に合わせて見ていきます。固定店舗向けの機能の多さより、会場で必要な決済と持ち物の少なさを重視して選びましょう。
Square|スマホから始めたい方や、カード対応を重視する方に


Squareは基本の月額料金0円で、対応するiPhoneやAndroidスマートフォンがあれば、専用リーダーを使わずカードのタッチ決済を受け付ける方法があります。最初の荷物と機器代を抑えたい方に向いています。
iPhoneのタッチ決済では、対応カードやApple Pay内のカード決済を受け付けられます。ただし、Suicaなどの交通系電子マネー、iD、QUICPayを受け付ける機能ではありません。PayPay等のQRコード決済は、別途申請・承認後にPOSレジアプリから受け付ける方法があります。
カードの差し込みや電子マネーも必要なら、4,980円のSquare リーダーが候補です。紙のレシートを1台で発行したい場合は、プリンター内蔵のSquare ターミナルもあります。どの構成でも、対応スマホや会場の通信を確認してください。
主要6ブランドの対面カード決済は、年間キャッシュレス決済額3,000万円未満などの条件を満たした場合2.5%です。電子マネー・QRコード決済等は3.25%で、すべての決済が2.5%になるわけではありません。
通常入金は三井住友銀行・みずほ銀行なら翌営業日、その他の銀行なら毎週金曜日が基本で、振込手数料は無料です。次の材料仕入れに売上を使いたい方は、登録銀行も含めて確認するとよいでしょう。
Squareのすっきりした見た目は、作品を主役にしたいブースにも合わせやすいと感じます。ただ、見た目だけで決めず、片手で金額を入力できるか、カードをかざす場所を案内しやすいかも確認してみてください。
使い勝手や利用者の評価を知りたい方は、Squareの評判記事も参考にしてください。


Airペイ|対応iPhone・iPadを持ち、カードやQR決済をまとめたい方に


Airペイは、対応iPhone・iPadとカードリーダーで使う決済サービスです。基本の月額料金は0円で、新規向けにカードリーダー代0円のプログラムが案内されています。ただし、スマホ本体やプリンターまで無料になるという意味ではありません。
対象の中小事業者は、ブランド別の審査を経て主要カードの手数料2.48%が適用される場合があります。通常のカード・iD・QUICPayは3.24%で、QRコード等には別の税区分・料率があります。実際の適用料率を確認してから比較しましょう。
Airペイの強みはカードやQRコード等をまとめて受け付けられる点ですが、複数会場を回る利用区分では交通系電子マネーが使えないため、Suica対応を目的に申し込む方は要注意です。
対応iPhoneだけでカードのタッチ決済を受け付ける「Airペイ タッチ」もあります。書類提出後、最短15分でVisa・Mastercardが利用可能になる案内がありますが、審査に時間がかかる場合もあり、全ブランドが同時に使えるわけではありません。
カードリーダー方式やQRコードを含めて利用したい場合は、ブランド別の審査・配送・利用開始通知を待ちます。「Airペイなら2週間で全部揃う」と決めつけず、希望する決済の状況を確認してください。
Airペイアプリで受け付けた売上は、登録銀行によって月3回または6回の入金です。別のAirペイ QRアプリで受け付けた売上は月1回なので、アプリの違いも確認しましょう。
操作性やサポートの評価は、Airペイの評判記事で紹介しています。


PayPay|QRコードから小さく始めたい方に
PayPayの直接契約は、加盟店用QRコードを掲示して、お客様に読み取ってもらう方法が使えます。カードリーダーが不要なので、QRコードと支払いを確認するスマホ等で運用したい方の候補です。
月額固定費0円の制限プランは、決済システム利用料が1.98%(税別)です。消費税10%を含めた概算の負担率は2.178%になります。1.60%(税別)はPayPayマイストア ライトプラン等の条件を満たした場合で、同プランは1店舗あたり月額1,980円(税別)です。
出店が少ない作家さんなら、まず固定費0円のプランを基準に考えると比較しやすくなります。有料プランは、料率だけでなく販促機能を使うか、毎月のPayPay売上がどれくらいあるかで判断しましょう。
通常入金は月末締めで、PayPay銀行は翌日、その他の金融機関は翌々営業日、ゆうちょ銀行は4営業日後が案内されています。販売した翌日に毎回入金されるわけではありません。早期振込を使う場合は別の条件・費用を確認してください。
既存の加盟店契約がない状態でイベント利用を希望する場合は、PayPayの加盟店受付へ相談します。個人向けの「送る・受け取る」を加盟店決済の代わりにする運用は選ばず、作品販売に使える加盟店契約で受け付けましょう。
実店舗を持たない方の申込方法は、次の記事で詳しく説明しています。


手数料で利益を見失わない計算と、出店当日の準備
キャッシュレス対応は、現金不足による購入の断念を減らし、会計記録も残しやすくします。一方で、手数料、通信、充電、取消への対応は必要です。販売価格と当日の運用をセットで準備しましょう。
作品1点と、出店1回の手数料を計算する
| 作品価格・決済額 | Squareカード2.5%の例 | Airペイカード2.48%の例 | PayPay直接契約1.98%+税の概算 |
|---|---|---|---|
| 3,000円 | 75円 | 約74円 | 約65円 |
| 5,000円 | 125円 | 124円 | 約109円 |
| 出店の対象決済売上50,000円 | 1,250円 | 1,240円 | 1,089円 |
SquareとAirペイはそれぞれ対象料率が適用された場合です。PayPayは消費税10%を含めた概算で、実際の端数処理・集計方法によって差が出ます。比較のため、各列はその決済方法だけで売れたと仮定しています。
例えば、3,000円の作品の材料・包装代が1,000円なら、Squareの2.5%の例では、3,000円-1,000円-75円=1,925円が残ります。ここから出店料・交通費・制作時間などを考えるため、1,925円がそのまま最終的な利益になるわけではありません。
5万円の決済売上では、2.5%と2.48%の差は10円です。わずかな料率差より、スマホの買い替えや機器代、会計のしやすさの違いが大きくなる場合もあります。
前日までに持ち物と接続を確認する
- 対応スマートフォン・必要な決済端末を充電する
- モバイルバッテリーと、各機器に合う充電ケーブルを用意する
- 会場の通信・電源条件を確認し、必要なら自分の携帯回線を使う
- 販売する作品名・価格・在庫を登録または一覧化する
- 承認済みの決済ロゴと、加盟店用QRコードを準備する
- 紙の領収書やプリンターが必要か確認する
- 現金の釣り銭、返金・問い合わせの手順も用意する
会場の無料Wi-Fiがあっても、混雑時に接続できるとは限りません。自分の携帯回線が使えるかを確認し、当日はブースの位置で通信と端末の接続状態をチェックしてください。
一人で接客・包装・会計をする場合は、作品を置く場所、スマホの操作位置、カードをかざしてもらう位置を決めておくと動きやすくなります。現金を希望するお客様にも対応できるよう、釣り銭は残しておきましょう。
決済完了を確認してから作品を渡す
会計は「作品と数量を確認→合計金額を案内→決済→作家側の画面で完了確認→包装・作品の受け渡し」の流れにします。お客様の画面や音だけで判断せず、自分のアプリや取引履歴でも確認してください。
PayPayのQRコードをお客様が読み取って金額を入力する方式では、入力額も確認します。通信エラーが出たときはすぐ再決済せず、履歴を確認して二重決済を防ぎましょう。返金・取消の方法は、使う決済手段ごとに確認しておいてください。



キャッシュレスにしても、会計が自動で終わるわけではありません。「金額」と「完了」を確認する順番を決めておくと、接客が立て込んだときにも落ち着いて対応しやすくなります。
対面用QRコードをネット販売へ流用しない
イベント後にSNSで作品を販売する場合は、対面決済とオンライン決済を分けて考えてください。PayPayの店頭用QRコードをSNSやメールへ掲載・送付することは、公式に禁止されています。出店告知の写真にも写り込ませないようにしましょう。
ネットで注文を受けるなら、オンライン販売に対応した決済リンクやネットショップ等を使います。会場での売上記録と合わせて、作品ごとの在庫も整理しておくと、イベント後の販売につなげやすくなります。
ハンドメイドイベントのキャッシュレス対応でよくある質問
最後に、実店舗のない作家さんや、初めてイベントに出店する方が迷いやすい点を確認します。
- 店舗を持たないハンドメイド作家でも申し込めますか?
-
イベント等での販売に対応したサービスは申込候補になります。ただし加盟店審査があり、販売内容や出店場所等の確認が必要です。Airペイは実店舗なしの催事出店の申込例を案内しています。PayPayの新規イベント利用は加盟店受付へ相談してください。
- 決済端末を買わずにカード対応できますか?
-
対応スマートフォンがあれば、Squareのスマホでタッチ決済やAirペイ タッチが候補です。機種・OS・カードブランド・利用開始条件を確認してください。カードの差し込みや交通系電子マネーまで同じ方法で受け付けられるわけではありません。
- 複数のイベント会場でSuicaを使えますか?
-
サービスと利用区分によります。Airペイの「複数の場所で利用する」区分では交通系電子マネーを使えません。Suica対応を重視する場合は、利用予定の会場や出店形態を伝え、対応端末・申請条件を確認してください。
- 今週末のイベントに間に合いますか?
-
申込内容と審査状況によるため、保証はできません。スマホのタッチ決済には最短当日や最短15分などの案内がありますが、全ブランドの利用開始を意味しません。配送が必要な機器や追加のQR決済審査も含めて確認してください。
- PayPayの1.98%とSquare経由のPayPayは同じですか?
-
同じではありません。1.98%はPayPay直接契約の制限プランの税別料率です。Square経由のPayPayはSquare側の契約料率・入金条件が適用されます。Airペイ経由も含め、どこから申し込んで受け付けるかで比較してください。
- 友人と合同出店なら、一つの端末を共有できますか?
-
別の事業者の売上まで自分の契約で決済してよいとは限りません。誰の作品を、誰が販売者として販売するかを整理し、サービス側と主催者へ確認してください。確認がないまま他の作家の決済を代行する運用は避けましょう。
- キャッシュレスだけにして現金をやめてもよいですか?
-
主催者のルールと客層、通信トラブルへの備えで判断してください。現金を希望する方や、端末の充電切れ・通信障害も考えると、初出店では現金と併用する方法が取り入れやすくなります。
出店頻度と必要な決済に合わせて、無理なくキャッシュレスを始めよう
イベント出店のキャッシュレス対応は、作品を気に入ってくれたお客様が購入しやすくなるための準備です。最初から多くの機器を買うより、月額固定費を抑え、必要なカード・QRコード等から始めると負担を管理しやすくなります。
スマホからカード対応を始めたいならSquare、対応iPhone・iPadを活かしてカードやQR決済をまとめたいならAirペイ、PayPay中心で機器を減らしたいなら直接契約が候補です。複数会場での利用条件と、出店日までに承認される決済を必ず確認してください。
申し込み後は、充電・通信・金額入力・決済完了確認まで練習しておきましょう。会計の準備を済ませておけば、当日は作品の魅力を伝える接客に集中しやすくなります。




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